イザベル・ファウスト&ハーディング&スウェーデン放送響によるバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を聴いて

イザベル・ファウスト&ハーディング&スウェーデン放送響によるバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番(2012年録音)を聴いてみました。
NML
(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

クールで、澄明で、シャープな感覚に包まれている演奏となっています。キリっと引き締まった音楽が鳴り響いている。これらは、独奏と指揮の双方について当てはまる。
とても冴え冴えとしている。透明感に溢れている。音がクッキリと立っていて、輪郭線がクッキリとしている。そんなこんなのために、バルトークならではの野趣に溢れた音楽が繰り広げられていると言うよりも、ソフィスケイトされた音楽世界が広がっています。とても知的であり、凛然としている。そして、不純物の混じっていない、澄み切った音楽が鳴り響いている。
それでいて、冷めた音楽にはなっていません。なるほど、熱く燃え滾る演奏、もしくは煽情的な演奏という訳ではないのですが、律動感を持っていて、生き生きとした音楽が奏で上げられている。ストイックでありつつも、伸びやかさが備わってもいる。
そのうえで、時に瞑想的であったり、時に厳格であったり、時にスタイリッシュであったり、時にエネルギッシュであったりと、融通無碍な演奏が展開されている、

鋭利で、今風な演奏スタイルであり、そのうえで、エキセントリックで痩せぎすな演奏とはなっておらずに、豊かな息吹が感じられる演奏。
抜群の音楽センスに支えられた、なんとも素晴らしい演奏であります。