アンドリス・ネルソンス&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるR・シュトラウスの≪ツァラトゥストラかく語りき≫を聴いて

アンドリス・ネルソンス&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(LGO)によるR・シュトラウスの≪ツァラトゥストラかく語りき≫(2021年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

ケレン味のない、真摯な演奏ぶりが示されています。
やや遅めのテンポを採りながらの、どっしりと構えた演奏が展開されていて、安定感は抜群。しっかりとした足取りで、音楽は進められてゆく。
それでいて、音楽は存分にうねっている。決して大袈裟な表現が採られている訳ではないのですが、充分にダイナミックであり、壮麗でもある。いや、豊麗で豊穣だと言ったほうが相応しいかもしれません。そして、落ち着いた表情をしていながらも、生気に満ちている。
そのうえで、コクの深い音楽が鳴り響いている。この辺りは、LGOに依るところが大きいようにも思えます。そう、ここでのLGOの響きは、派手さはないものの、重心が低くて、底力のようなものが感じられ、それでいて、芳醇なものとなっている。

決して、絢爛豪華で、目くるめくような眩さを備えたR・シュトラウス演奏ではありませんが、奥深さの感じられるR・シュトラウス演奏となっている。
独特な魅力を備えていて、かつ、聴き応え十分な演奏であります。