ブリュッヘン&18世紀管によるメンデルスゾーンの≪スコットランド≫を聴いて

ブリュッヘン&18世紀管によるメンデルスゾーンの≪スコットランド≫(1994年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

ブリュッヘンらしい、真摯な演奏ぶりが示されています。ケレン味がなくて、溌剌としていて、清新な演奏が展開されている。
しかも、熱気が籠っていて、逞しい生命力に満ちている。更に言えば、推進力に溢れた演奏となっています。キビキビとしていて、躍動感に満ちている。音の粒がクッキリと立っている。
そのうえで、伸びやかで、晴れやかでもある。そして明朗でもある。
と言いつつも、根っからに明るくて、熱くて弾けている演奏が展開されている訳ではなく、清々しさを伴った演奏が繰り広げられています。メンデルスゾーンならではのロマンティックな感興も充分。
それらの性格が相まって、音楽を聴く歓びを心行くまで味わうことのできる音楽が鳴り響くこととなっている。更には、この作品の魅力を、一層引き立ててくれている。

ブリュッヘンの魅力と、この作品の魅力とを堪能することのできる、素敵な演奏であります。