イヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管によるドヴォルザークの交響曲第8番を聴いて

イヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管によるドヴォルザークの交響曲第8番(2000年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

いやはや、なんとも見事な演奏となっています。
基本的には骨太な音楽づくりなのですが、しなやかでもある。そして、実に生き生きとしていて、逞しい生命力が内蔵されている。熱気に溢れてもいる。更に言えば、気風の良さのようなものが感じられもする。
アンサンブルは、極めて巧緻。立体的な音楽づくりが為されているとも言えそう。目鼻立ちが、極めてクッキリとしているのであります。それでいて、角張っておらずに、頗る伸びやかでもある。キリッと引き締まっていていつつ、ふくよかさが感じられもする。
そのうえで、歌心に満ち溢れていて、ニュアンス豊かな音楽を奏で上げてくれています。例えば第3楽章のコーダの部分、リズミカルな旋律の中で聞かせる意表を衝いた上行ポルタメントなど、とてもオシャレな音楽となっている。
(このユニークな上行ポルタメントは、第4楽章の途中にも現れます。更には、下降ポルタメントも姿を見せる。)
要は、音楽センスが抜群の演奏が繰り広げられている。

イヴァン・フィッシャー、素晴らしい指揮者ですよね。私が大きな信頼を置いている指揮者の一人。
そんなイヴァンの魅力を堪能することのできる、素敵な素敵な演奏だと思います。