セレブリエール&ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管によるグラズノフの≪ライモンダ≫組曲を聴いて
セレブリエール&ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管によるグラズノフの≪ライモンダ≫組曲(2005年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。
セレブリエールは1938年にウルグアイに生まれた指揮者。60代の後半だった2000年代にロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管とグラズノフの交響曲全集を完成していますが、併せて、グラズノフの主要作品も録音しています。この≪ライモンダ≫組曲も、その中の一つ。
グラズノフの管弦楽曲の中でも、同じくバレエ音楽である≪四季≫に次ぐ人気を得ていると言えそうな≪ライモンダ≫。この作品もまた、他の多くのグラズノフの作品と同様に、色彩豊かで、華麗で、ロマンティックな色合いを湛えている音楽となっています。そのうえで、抒情味や郷愁や、洗練味やロシア的な土俗性や、といったようなものが交錯する音楽となっている。そして、とてもお洒落。
そのような≪ライモンダ≫を、セレブリエールは推進力豊かに、生き生きと奏で上げています。しかも、磨き上げが丹念で、艶やかで煌びやか。洗練された演奏となってもいる。色彩豊かでもある。そして、終曲などでは、壮麗な音楽世界が描き上げられてもいる。
そう、エネルギッシュにしてカラフルで、エレガントな演奏が展開されているのであります。そのような演奏ぶりが、この作品にピッタリ。
この作品の魅力を、もっと言えば、グラズノフを聴く愉しさを、存分に味わうことのできる、素敵な演奏であります。