バックハウス&ベーム&ウィーン・フィルによるシューマンのピアノ協奏曲を聴いて
バックハウス&ベーム&ウィーン・フィルによるシューマンのピアノ協奏曲(1963年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。
バックハウスは、正規録音ではヴァントと同曲をステレオ録音していますが、ここには、ベームとのライヴ録音が刻まれています。この「最強の組合せ」によるシューマンが遺されているという幸せ。
その演奏内容は、2人の名前から想像される出来栄え以上に素晴らしいものだと言えそう。
堅実にして、豪壮な演奏。それでいて、過度に武骨な雰囲気を漂わせてもいません。しなやかでかつ、ロマンティシズムに満ち溢れています。そんなこんなによって、風格豊かで、拡がり感のある音楽が響き渡っている。ライヴならではの熱気も、存分に伝わってくる。そのうえで、力強くありつつも、優美さが感じられもする。
その優美な味わいは、ウィーン・フィルに依るところが大きいように思えます。ここでのウィーン・フィルの響きは、いつにも増して、柔らかいように感じられる。そして、輝かしくて、美しい。
いやはや、なんとも見事な、そして、実に素敵な演奏であります。