プレヴィン&ロンドン響によるメシアンの≪トゥーランガリラ交響曲≫を聴いて
プレヴィン&ロンドン響によるメシアンの≪トゥーランガリラ交響曲≫(1977年録音)を聴いてみました。
オンド・マルトノはこの曲の常連であるジャンヌ・ロリオ。ピアノはミシェル・ベロフ。2人の独奏者にはフランス人を配しています。ちなみに、ジャンヌの姉であるピアニストのイヴォンヌ・ロリオは、メシアンの2人目の奥さんとなっています。つまり、ジャンヌはメシアンの義理の妹。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。
さて、この演奏についての印象であります。
全体的に、鮮烈な演奏となっています。克明にして、直截的な演奏と言っても良いかもしれません。そして、原色的なカラフルさを持っている。
全体的に、キレッキレな演奏となっています。線がクッキリとしていて、明瞭な音像によって描き上げられている。見通しが良くもある。エネルギッシュで、ダイナミックでもある。やや画一的になっている(賑やかな方向に傾きがち)とも取れそうですが、聴いていて血沸き肉躍るような面白さを味わうことができ、かつ、とても解りやすい。そのために、この作品の音楽世界をすんなりと受け入れることができる。
この作品を初めて聴く向きには、好ましい演奏だと思えます。
独奏陣では、ベロフによる色彩的で、明快で、切れ味の鋭いピアノが、プレヴィンの音楽づくりに適した人選であると言えそう。
快演だと言えましょう。