ネーメ・ヤルヴィ&エーテボリ響によるニールセンの≪不滅≫を聴いて

ネーメ・ヤルヴィ&エーテボリ響によるニールセンの≪不滅≫(1990年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

明快な演奏であります。生き生きとしていて、躍動感に満ちている。骨太で、逞しい生命力の宿っている演奏だとも言いたい。
しかも、演奏ぶりは頗る率直。見通しの良い演奏となっています。そのため、あまり込み入ったような音楽として響かずに、とても聴きやく、ス~と作品の世界に入り込めることができる。更には、ニールセンならではのウィットや、シニカルな表情も、しっかりと刻み込まれている。
そのうえで、充分に劇的。気宇が大きくもある。適度に、威風堂々とした風情が滲み出てもいる。
(ニールセンの音楽は、元来がとても威風堂々としたものであると考えています。)
第4部でのティンパニの連打も、壮絶とまでは言わない(そう、スッキリと進められている)までも、充分なるアクセントとなっている。

エストニア生まれのN・ヤルヴィ。そのレパートリーは広範を極めており、しかも、どの曲を指揮しても生命力溢れる演奏を繰り広げてくれる指揮者でありますが、その中でも、シベリウスをはじめとした北欧物を大の得意としているN・ヤルヴィ。2014年に聴きに行ったN響との演奏会でも、グリーグ、スヴェンセン、シベリウスといった北欧の作曲家の作品を並べたプログラムを組んでいて、素敵な演奏を聞かせてくれたものでした。
そんなネーメの面目躍如たる、自信に満ちた、素晴らしいニールセンであると思います。更に言えば、逞しい筆致で描かれていつつも、自然体な姿をしているニールセンを見出すことができる。そのうえで、繰り返しになりますが、とても聴きやすい。
この作品の魅力を存分に味わうことのできる、素敵な素敵な演奏であります。