メータ&ロス・フィルによるR・シュトラウスの≪英雄の生涯≫を聴いて

メータ&ロス・フィルによるR・シュトラウスの≪英雄の生涯≫(1968年録音)を聴いてみました。

メータらしい、豪快で華麗な演奏が繰り広げられています。明快にして、推進力に満ちていて、生気に溢れていて、輝かしくもある。そして、オーケストラを聴く歓びを堪能させてくれる演奏となっている。そのことが、R・シュトラウスを聴く歓びにも直結していると言えましょう。
音楽全体が、煌めいています。そして、しなやかに、かつ豊かに息づいている。
難しいことは何も考えず、聴いていてスカッとした気分に浸ることができる演奏。爽快でありつつも、気持ちが高ぶってくる演奏となってもいる。
と言いつつも、決して表面的な華々しさを追い求めているだけではない。音楽が空々しく鳴り響くようなこともない。作品の生命力が的確に解放されていて、聴かせ上手で、充実感に満ちた演奏が繰り広げられています。

ロス・フィル時代のメータの魅力が満載の、なんとも素敵な演奏であります。