サロネン&フィルハーモニア管によるバルトークの≪中国の不思議な役人≫全曲を聴いて

サロネン&フィルハーモニア管によるバルトークの≪中国の不思議な役人≫全曲(2011年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
サロネンならではの、整然としていて、かつ、精巧な音楽づくりが為されています。過度に獰猛であったり、グロテスクな表情が強調されたり、といったことはない。
とは言いながらの、決して大人しい演奏になっている訳ではありません。冷ややかな演奏になっている訳でもない。躍動感が漲っていて、充分にダイナミックである。敏捷性にも不足はない。鮮烈、とまでは言えそうにないものの、彩り鮮やかでもある。暖かみを帯びてもいる。
その一方で、静かな箇所では、寂寥とした音楽が鳴り響いている。そして、精妙な音楽となっている。この作品は、もともとが、静と動のコントラストが鮮やかでありますが、その点が、巧妙に表されている演奏となっているのであります。
更に言えば、純音楽的な美しさを湛えている。スマートに纏め上げられていて、かつ、洗練味を帯びているバルトーク演奏だとも言えそう。
充分なる力感に備えていつつ、清浄な雰囲気に包まれている演奏。そのことによって、この作品の多面性が窺える演奏になっているとも言いたい。
サロネンの豊かな音楽性と確かな手腕が滲み出ていて、なおかつ、この作品の魅力が迸り出ることとなっている、見事な≪中国の不思議な役人≫であります。






