プレートル&パリ音楽院管によるプーランクの≪めじか≫組曲を聴いて

プレートル&パリ音楽院管によるプーランクの≪めじか≫組曲(1961年録音)を聴いてみました。
プーランクの音楽の特徴は、オシャレな感覚をベースとしていて、軽妙でありつつ、そこに諧謔性が含まれているところにあるように思います。敬虔で、シリアスであり、かつ、シニカルでもある。
プーランクと同時代を生きたフランスの評論家のロスタンは、プーランクのことを「修道僧と悪童が同居している」と形容していますが、言い得て妙だと言えましょう。
この≪めじか≫もまた、そのようなプーランクの特徴をよく表していると思えます。
なお、タイトルの≪めじか≫とは、「若い娘たち」「かわいい子」といった意味。マリー・ローランサンの絵に触発されて書き上げたバレエ音楽になります。
ここで触れることのできる音楽は、優美で軽快なもの。オシャレな感覚に溢れています。それでいて、至るところでシニカルな表情を見せてくれる。そのようなスパイスの効いている音楽であるとも言えそう。
このプレートルによる演奏は、そのような軽妙さや、そこに織り込まれているスパイスや、といったものが見事に具現化されていると思えてなりません。尚かつ、推進力豊かであり、逞しい生命力に溢れてもいる。そして、とても華やかでもある。
しかも、線が明瞭で、クリアな演奏が展開されています。曖昧なものが全くない。それでいて、即物的になるようなことはなく、瀟洒であり、雰囲気豊か。エレガントでもある。バレエ音楽での演奏に相応しく、運動性に富んでいて、キビキビとしてもいる。
そのうえで、パリ音楽院管の色彩感に富んだ響きが、この演奏の魅力を引き立ててくれている。
このバレエ作品が持っている魅惑的な世界をストレートな形で味わうことのできる、なんとも素敵な演奏。
当盤は、長らく、この作品における代表版盤として第一に推されることの多かった存在でありますが、そのような評価も納得のできる、素晴らしい演奏であります。





