カンテルリ&ニューヨーク・フィルによるロッシーニの序曲集を聴いて

カンテルリ&ニューヨーク・フィルによるロッシーニの序曲を4曲(1950-55年ライヴ)聴いてみました。収められているオペラは、下記の通り。
≪コリントの包囲≫
≪セミラーミデ≫
≪チェネレントラ≫
≪ブルスキーノ氏≫
カンテルリ(1920-56)は、イタリア生まれの指揮者。トスカニーニの後継者としての将来を嘱望されていたのですが、36歳で飛行機事故によって不慮の死を遂げた。
ここに聴くことのできるロッシーニの演奏、それは、流動感に満ちていて、歌心に溢れていて、輝かしくて、逞しいもの。それはそれは、生命力に満ち溢れた音楽となっています。しかも、どっしりとした構えをした音楽が鳴り響いている。
ある種、重量級のロッシーニと言えるのではないでしょうか。響きに厚みが感じられる。やや速めのテンポが採られていつつ、構えの大きな音楽となっているようにも思える。なるほど、颯爽としていて、疾走感に不足はないのですが、晴朗であったり、「風を切って軽快に走り抜けてゆく」といった風情であったり、といったものは殆ど感じられない。ましてや、弾き飛ばすようことは皆無であります。
そのようなこともあり、ロッシーニの作品にしては、巨大な音楽が出現しています。それは、≪チェネレントラ≫において、ひときわ顕著に表されていると言いたい。この≪チェネレントラ≫序曲に聴くことのできる音楽は、まるで「大交響曲」のよう。
そのような外観を呈していると同時に、音楽に「驀進力」が備わっている。重量感を持たせながら、カンタービレの効いた輝かしい音楽が、大きな力を蓄えた状態で驀進してゆく。しかも、とても熱い。灼熱の炎が感じられる。
なんとも立派な、そして、独特の魅力を持っている、素敵なロッシーニ演奏であります。





