ハイティンク&ロンドン・フィルによるメンデルスゾーンの≪スコットランド≫を聴いて

ハイティンク&ロンドン・フィルによるメンデルスゾーンの≪スコットランド≫(1978年録音)を聴いてみました。
コンセルトヘボウ管と兼任する形で、1967-79年の間にロンドン・フィルのシェフを務めていたハイティンクは、1970年代の後半に同オケとメンデルスゾーンの交響曲を集中的に録音していましたが、第2番の≪讃歌≫は録音されずに、全集に発展することはありませんでした。当盤は、その中の1枚になります。
さて、ここでは、ずっしりとした手応えを持っている、中身の濃い演奏が展開されています。実に立派であり、底光りするような質感を備えているとも言いたい。
ハイティンクならではの、手堅くて、誠実な演奏ぶりが示されていますが、堅苦しさは感じられません。むしろ、しなやかさに溢れている。しかも、質実剛健でいて、メンデルスゾーン独特の優美さや、人懐こさにも繋がるような親近感や、といったものを湛えてもいる。それ故に、とてもチャーミングな演奏となっている。それは、この作品が元来備えている性質でもあるのですが。
更には、内側からフツフツと沸き立ってくるような情熱が感じられます。そのうえで、響きや、音楽が示している佇まいは、誠に充実している。堅固でありながら柔軟性や弾力性を帯びており、躍動感や流動感に溢れた音楽が奏で上げられている。
そんなこんなのうえで、メンデルスゾーンの交響曲の中でもスケールの大きさを誇っている音楽に対して、決して大袈裟に構えることなく、この作品に相応しい気宇の大きさを備えた音楽づくりが為されていっている。そのことがまた、この演奏の充実度を引き立ててくれていると言えましょう。
作品の魅力を最大限に引き出してくれている演奏。
なんとも素敵な演奏であります。





