プレヴィン&ピッツバーグ響によるハイドンの≪驚愕≫と≪ロンドン≫を聴いて

プレヴィン&ピッツバーグ響によるハイドンの≪驚愕≫と≪ロンドン≫(1978年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
プレヴィンは、1976年から1984年の間、ピッツバーグ響のシェフを務めていましたが、当盤は、その期間に録音されたものになります。
さて、ここでの演奏はと言いますと、端正にして、優美なものとなっています。
なるほど、穏当に過ぎると言えるかもしれません。刺激などは、どこを探しても全く見当たらない。その代わりに、安定感に満ちた音楽が鳴り響いている。
テンポは、現代の感覚からすれば、やや遅めといったところでしょうか。性急なところが全くなく、そのことがまた、穏当であったり、安定感に繋がったりしていると言えそう。
そのうえで、暖かみのある音楽が鳴り響くこととなっている。弾力性を帯びた音楽となってもいる。格調が高くて、典雅でもある。そういった音楽づくりが、ハイドンならではの親しみやすさを生むこととなっていて、とてもチャーミングな音楽が鳴り響いています。
しかも、≪ロンドン≫では、この作品に相応しい風格の豊かさが備わってもいる。両端楽章をはじめとして、推進力にも不足はない。
プレヴィンは、1990年代の前半に、ウィーン・フィルとハイドンの交響曲を4曲録音しており、そこでは、ウィーン・フィルならではの、まろやかで、柔らかくて、艶やかな美音も相まって、唖然とするほどに美しい演奏が繰り広げられています。気品があって、薫り高いハイドン演奏となってもいる。
そちらに比べると、オーケストラの魅力では、当盤は見劣りがするのは否めません。しかしながら、その分、プレヴィンの音楽づくりの見事さを、率直に感じ取ることのできる演奏になっていると言いたい。そのようなことも含めて、ピュアで飾り気のないハイドンを楽しむことのできる、素敵な演奏であります。





