ヨッフム&ベルリン・フィルによるブラームスの交響曲第2番を聴いて

ヨッフムがモノラル期にベルリン・フィルと完成させたブラームスの交響曲全集から第2番(1951年録音)を聴いてみました。まだ、フルトヴェングラーが存命だった時期のベルリン・フィルを振ったものになります。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞であります。

なお、第2番は、この全集を制作するに当たって、最初に録音されたもの。このときヨッフムは48歳。壮年期の演奏、ということになります。
ちなみにヨッフムはこの丁度30年後の1981年に、ベームの追悼演奏会として開催された、ベームが亡くなったおよそ1ヶ月後のウィーン・フィルとの演奏会でも、この曲を演奏しています。

壮健で、堂々とした演奏が繰り広げられています。
テンポは、最終楽章を除いて、速からず遅からず、といったところでしょうか。安定感の強い演奏が展開されています。重厚感が備わってもいる。それでいて、この作品に相応しい伸びやかさを備えている。そして、必要十分に明朗でもある。活力に満ちてもいる。
とは言いましても、さほど開放的な演奏にはなっていません。それよりももっと、凝縮度の高い音楽が鳴り響いていると言えそう。それでいて、堅苦しさは感じられない。適度に弾力味を帯びてもいる。それ故に、朗らかさが滲み出ているのでしょう。
更には、決然としたロマンティシズム、といったものが感じられます。決して、甘ったるいものになっている訳ではないのですが、耽美的であったり、情緒的であったり、情念的であったり、といった表情を垣間見ることができる。それは、20世紀中ごろまでに主流だったと言えそうな、主情を重んじる演奏スタイルが投影されているからなのでありましょう。
そして、暖かみを帯びている。それは、ヨッフムの人間性からきていると思えてならない。そのことがまた、堅苦しさを感じさせない所以なのでもありましょう。
そのような中で、最終楽章の主部では、かなり速めのテンポが採られており、突進力の強い演奏が繰り広げられていて、なんとも見事。それはもう、実に輝かしい演奏となっています。エンディングでの昂揚感も頗る高い。とは言うものの、決して空騒ぎにならずに、内実を伴った演奏となっているのが、いかにもヨッフムらしいところだと言えましょう。

1950年代のヨッフムの美質がギッシリと詰まっていて、かつ、作品の魅力を存分に味わうことのできる、なんとも素敵な演奏であります。