マルティノン&パリ管によるラヴェルの≪マ・メール・ロワ≫全曲を聴いて
マルティノン&パリ管によるラヴェルの≪マ・メール・ロワ≫全曲(1974年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
艶やかであり、色彩感に満ちた演奏となっています。そこには、パリ管の美質が、大きく反映されているように思われる。
そのうえで、この作品に相応しい、メルヘンチックな雰囲気にも不足はありません。詩情の豊かさや、まろやかさが感じられ、洗練味を帯びた演奏となっている。この作品ならではの浮遊感がシッカリと感じられ、夢幻的でもある。
ラヴェルならではの、薫り高くて、粋な音楽世界が広がってもいる。
しかも、克明にして、逞しい生命力を宿している演奏となっている。そう、浮遊感がありつつも、明快な音楽が奏で上げられているのです。この辺りは、マルティノンの多くの演奏に共通した特徴だと言えそう。
色彩鮮やかで、薫り高くて、そのうえでクリアな音楽づくりが示されている演奏。
マルティノンと、パリ管と、そして、ラヴェルの、それぞれの魅力がギッシリと詰まっている素敵な演奏であります。