流鏑馬神事の見学と、クーベリック&ウィーン・フィルによるチャイコフスキーの交響曲第4番について

今日は、下鴨神社へ流鏑馬神事のリハーサルを観に行ってきました。
流鏑馬は、葵祭で執り行われる神事の一つ。本番は明日なのですが、そのリハーサルを観てきたのであります。明日の本番と比べて人混みも少なく、勇壮で躍動感に溢れる神事を、ゆったりと観ることができました。

さて、本日の音楽は、こちらになります。クーベリック&ウィーン・フィルによるチャイコフスキーの交響曲第4番(1960年録音)。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

美しさと逞しさを兼ね備えている演奏。そんなふうに言えるように思います。
全編を通じて、クーベリックらしい端正な佇まいをした音楽が奏で上げられています。誠実な演奏だとも言いたい。しかしながら、決して穏当な演奏ぶりなどではありません。なるほど、外面的な効果を狙った派手な演奏ではありませんが、作品の持つエネルギーやバイタリティを生き生きと表出してくれていて、逞しい生命力が漲っている。最終楽章のクライマックスなど、昂揚感の大きな演奏となっていて、煽情的でもある。
そのうえで、キリリとした構成美を感じさせてくれる演奏となっている。土俗的な性格はあまり感じられず、洗練味を帯びた演奏だとも言えましょう。音楽が示してくれている佇まいが、実に美しくもある。
そして、ウィーン・フィルによるまろやかで艶やかな美音が、クーベリックの絵音楽づくりに花を添えてくれている。それはもう、ウットリするほどに美しい。しかも、その演奏ぶりは誠にしなやかでもある。

クーベリックとウィーン・フィルのそれぞれの美質が活かされている演奏。そのことによって、チャイコフスキーの作品を、このコンビならではの魅力で染め上げてくれている。
いやはや、なんとも素敵な演奏であります。