モントゥー&フランス国立放送管によるベートーヴェンの交響曲第2番を聴いて
モントゥー&フランス国立放送管によるベートーヴェンの交響曲第2番(1956年ライヴ)を聴いてみました。
モントゥーが、1952-58年に、母国のフランス国立放送管を指揮したライヴ演奏が、CD8枚に収蔵されているボックスの中の1枚。NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。
なんとも明快な演奏となっています。
このとき、モントゥーは既に80歳を超えていましたが、実に若々しい演奏が繰り広げられている。生気が漲っていている。屈託がなくて、晴れやかでもある。
推進力に満ちていて、実に晴朗な音楽が鳴り響いています。そのような表情が、この作品の性格には、誠に相応しい。
それでいて、変に浮かれたところがない。毅然としていて、風格豊か。しかも、優美さが漂ってくる演奏となっている。そのうえで、特に最終楽章などには、ベートーヴェンらしい勇ましさが感じられもする。
モントゥーは、1960年前後にウィーン・フィルとロンドン響を振り分けてベートーヴェンの交響曲全集を制作しており、なおかつ、同時期に北ドイツ放送響と共に第2番と第4番もセッション録音を行っています。この第2番は、モントゥーの愛奏曲だったのでしょう。
なるほど、モントゥーの体質に合っている作品だと言えそう。
これはもう、モントゥーの魅力と、この作品の素晴らしさを存分に味わうことのできる、実に素敵な演奏であります。