プレヴィン&ウィーン・フィルによるドヴォルザークの≪スラヴ舞曲集≫を聴いて

プレヴィン&ウィーン・フィルによるドヴォルザークの≪スラヴ舞曲集≫全16曲(1993年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

ウィーン・フィルの柔らかくて艶やかな美音と、プレヴィンの誠実にして躍動感ある音楽づくりとが融合された、実に素敵な演奏であります。
その演奏ぶりは、身のこなしがしなやか。そのうえで、真摯で、かつ、格調高い。磨き上げが丹念でもある。
なるほど、この曲集から感じられる土俗的な雰囲気は薄いと言えましょう。その代わりに、とても洗練された音楽が響き渡っていて、純音楽的な美しさに溢れています。しかも、頗るチャーミングな表情をしている。実に優美でもある。
しかも、必要十分にエネルギッシュで、舞曲に相応しい活力にも不足はない。そう、音楽が、そこここで弾んでいて、聴いていてウキウキとした気分にさせられます。
その一方で、短調で書かれた遅めのテンポの曲では、メロウな空気感を漂わせてくれてもいる。そんなところも含めて、雰囲気豊かな音楽世界が広がっている。

プレヴィン&ウィーン・フィルというコンビの魅力がギッシリと詰まっている演奏。それはもう、とびきり上質な音楽が奏で上げられていると言いたい。
いやはや、惚れ惚れするほどに素敵な演奏であります。