スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデンによるモーツァルトの交響曲第28,33番(1974年録音)を聴いて
スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)によるモーツァルトの交響曲第28,33番(1974年録音)を聴いてみました。
なんと清らかで晴れやかな演奏でありましょう。一点の曇りもない、澄み切った音楽が鳴り響いている。音楽が思う存分に弾んでいて、愉悦感に満ちている。曲想に応じて、粒立ちが鮮やかでキリっと引き締まっている。そのうえで、聴いていて、誠に清々しい気分に浸ることができる演奏となっています。
しかも、必要に応じて低音がシッカリと効いている。そのことによって、音楽に安定感がもたらされている。それでいて、重々しさは全く感じられない。
凛としていて、雑味のない演奏。そのうえで、実に優美で、ピュアな美しさに満ちている。そこに時おり差し込む憂愁の陰の、なんと意味深いこと。
しかも、SKDの響きが、清潔感に溢れていて、かつ、なんとも典雅であります。
この2曲の愛らしい魅力が、ますます引き立ってくる素敵な素敵な演奏。そして、日頃の雑事から隔絶された、歓びと安らぎに満ちたひとときをもたらしてくれる演奏。
そんなふうに言える演奏だと思います。