フランチェスカッティ&ミトロプーロスによるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いて
フランチェスカッティ&ミトロプーロス&ニューヨーク・フィルによるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(1954年録音)を聴いてみました。
甘美でありつつも、峻烈な演奏となっています。
そのような印象を抱くのも、前者についてはフランチェスカッティに依るところが大きいく、後者についてはミトロプーロスに依るところが大きいように思えます。そのうえで、全体を通じて、真摯にして、凝縮度が高く、切迫感の強い音楽が鳴り響いている。
そんなこんなによって、この作品ならではのロマンティックな感興が存分に描き出されていながら、キリっとした佇まいを獲得している演奏となっています。
フランチェスカッティとミトロプーロスという、誠実にして、豊かな音楽性を有している両者の、それぞれの美質が遺憾なく発揮されている演奏。それはもう、惚れ惚れするほどに美しい演奏になっている。そう、音色に関しても、音楽が示している佇まいに関しても、頗る美しい。
実に、実に、素敵な演奏であります。