ロジェストヴェンスキー&ロンドン響によるスクリャービンの≪法悦の詩≫を聴いて

ロジェストヴェンスキー&ロンドン響によるスクリャービンの≪法悦の詩≫(1976年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
やや速めのテンポを基調としながら、推進力の強い演奏が展開されています。この作品に相応しい「うねり」も十分。そして、鮮烈な音楽が鳴り響くこととなっている。
なるほど、ロジェストヴェンスキーならではの「爆発力」を秘めた演奏となっています。とは言うものの、単に力で押し切っていこう、といった演奏でもない。しなやかであり、かつ、弾力性を帯びている。更には、この作品に不可欠とも言える「色彩感」や「妖艶さ」にも不足はない。しかもそれは、「健康的な艶めかしさ」とでも表現できそうなものとなっている。
そのようなロジェストヴェンスキーによる音楽づくりに対して、ロンドン響の、高い機能性を持っていつつ、ニュートラルな性格を持ち合わせている、といった体質が、うまく機能していると言いたい。そう、整然とした音楽が鳴り響くこととなっているのであります。過度に煽情的になるようなことがない。過度に騒々しくなるようなこともない。それでいて、充分に馬力があって、ダイナミックでもある。しかも、大活躍するトランペットは、朗々と響き渡っていて、痛快なものとなっている。
ロジェストヴェンスキーとロンドン響の、それぞれの美質が嚙み合ったうえで、この作品の魅力を存分に引き出してくれている演奏。そんなふうに言えるのではないでしょうか。
終演後には、聴衆が大いに沸いている様も収められていますが、そのような熱狂ぶりも理解できる、素晴らしい演奏であります。






