デュトワ&パリ管弦楽団によるルーセルの≪バッカスとアリアーヌ≫全曲を聴いて

デュトワ&パリ管弦楽団によるルーセルの≪バッカスとアリアーヌ≫全曲(1986年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
デュトワがパリ管との共演で制作した、珍しい音盤。その内容はと言いますと、両者の美質が鮮やかに刻まれている、頗る魅力的なものとなっています。
全編を通じて、躍動感に溢れていて、生気に満ちた演奏が繰り広げられています。エネルギッシュでドマラティック。逞しい生命力を宿している。
そのうえで、ルーセルに特有の凶暴性が十分に示されています。とりわけ、鮮烈にリズムを刻んだり、豪快に音楽を掻き鳴らしたり、といった演奏ぶりによって、その凶暴性が強調されていると言いたい。
とは言いながらも、過度に威圧的であったり、野蛮な音楽になっていたり、といったことはない。或いは、力づくな演奏になっているようなこともない。理性の保たれている演奏が展開されているのであります。
更には、丹念に磨き上げられた演奏となっている。そして、洗練味を帯びている。そこに加えて、色彩感に富んだものとなっていて、煌びやかな光彩を放っている。
こういった演奏が可能になったのも、パリ管に依るところが大きかったと言えそう。そう、ここでのオケの響きの彩りの鮮やかさや、艶やかさは、パリ管ならではのものだと言えましょう。更には、敏捷性の高さや、機動性の高さも見事であり、そのことによって、音楽がヒラヒラと舞っているかのように鳴り響くこともしばしば。
力感に富んでいながら、エレガントでオシャレな感覚に溢れている演奏。
デュトワ&パリ管というコンビの魅力と、この作品の魅力の双方を堪能することのできる、素敵な1枚であります。






