ウェルザー=メスト&クリーヴランド管によるブルックナーの≪ロマンティック≫を聴いて

ウェルザー=メスト&クリーヴランド管によるブルックナーの≪ロマンティック≫(2024年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
明澄なブルックナー演奏が繰り広げられています。更に言えば、透明度が高くて、明晰な演奏が展開されている。
それ故にと言いましょうか、スッキリとしていて、ある種、爽快感を味わうことのできるブルックナー演奏となっています。
そのうえで、音楽が肥大化するようなことが全くない。音楽が粘るようなことも微塵も見受けられない。まさに、誇張のない 実直な演奏ぶりが示されていると言いたい。そして、この作品に相応しい明朗さを備えたものとなってもいる。
しかも、決して「ひ弱な」演奏になっている訳ではありません。過不足のない形での力感が備わっている。それは、足腰のシッカリとした演奏だ、というふうにも表現できそう。そのことによって、充分に逞しさを秘めている音楽が鳴り響くこととなっている。
格調が高くて 凛とした佇まいを湛えている演奏。更には、自然で、かつ、豊かな息遣いのその先から、厳かな空気が滲み出てくるような演奏となっている。それは、決して大仰な形で現れてくるのではないのですが。そのことによって、ブルックナーならではの敬虔な雰囲気が、巧まずして表出されてゆく。
肩肘を張らずに聴くことができ、清々しい気分にさせてもらえつつ、聴後の充実感の高い演奏。そのような形でブルックナーの音楽に触れることのできる、素敵な演奏であります。





