マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるR・シュトラウスの≪ドン・キホーテ≫を聴いて

マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるR・シュトラウスの≪ドン・キホーテ≫(1989年録音)を聴いてみました。チェロ独奏はハインリッヒ・シフ。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

なかなか渋いR・シュトラウス演奏であります。絢爛豪華な世界からは、かなり懸け離れている。それでは、つまらない演奏になっているかと言えば、さにあらず。充実感たっぷりな音楽が奏で上げられています。
誠実味に溢れていて、端正で、かつ、力感も充分な演奏。音楽の地力を感じさせられるような演奏。もっと言えば、底光りがするような演奏となっている。
しかも、素朴な演奏のようでいて、野暮ったさは感じられません。ゴツゴツとした質感をしている訳でもない。むしろ、洗練味を帯びて、更には、手触りの滑らかさが感じられる。それは、丹念に仕上げられていることに依るところが大きいのではないでしょうか。
そのような演奏ぶりの先からは、誇張の全くない、等身大の作品像が見えてくる。
シフによるチェロも、大上段に構えたようなところは皆無でありつつも、適度に逞しく、そのうえで、品格のある演奏を繰り広げてくれています。響きはまろやか。そのために、誠にノーブルなチェロ独奏となっている。

なんとも立派な、そして、なんとも素敵な演奏であります。或いは、派手さは無いものの、噛めば噛むほどに味わいのある演奏。そんなふうにも言えそう。
このようなR・シュトラウスを聴くのも、良いものであります。