イザベル・ファウスト&ロト&レ・シエクルによるストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いて

イザベル・ファウスト&ロト&レ・シエクルによるストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲(2021,22年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
この協奏曲は、独奏ヴァイオリンが大活躍する≪兵士の物語≫にどこか似ている、「のらりくらり」としていて、かつ、おどけた表情を見せながらの、飄々とした風情を湛えた作品だと言えましょう。その中に、シリアスな表現とアイロニーが交錯するような音楽になっている。
そのような作品を、ファウストは、切れ味鋭く奏で上げてくれています。なおかつ、頗る真摯でもある。それ故に、この作品が持っているシリアスな性格が、強調されているように感じられます。そして、凛とした表情を湛えてもいる。
とは言うものの、この作品の「おどけた表情」といったものも、巧まざる形で滲み出ている。それは、端正に演奏をしているが故に、作品本体から自ずと湧き上がってくる表情なのだと思えてならない。
そのうえで、音像がとてもクリア。そのために、目鼻立ちのクッキリとした演奏となっている。敏捷性の高い演奏ぶりでもある。
そんなファウストに対して、ロトもまた、克明な演奏を繰り広げてくれています。見通しが良くて、スッキリとしたものとなっている。ファウストとは、とても相性が良いと言えましょう。
総じて、真摯にして、オシャレな音楽が鳴り響いています。それは、ソリストと指揮者の感性の豊かさと、それを実現する技術の確かさに依るのだと言いたい。
なんとも素敵な演奏であります。






