バレンボイム&ズーカーマン&ブーレーズ&アンサンブル・アンテルコンタンポランによるベルクの≪ピアノ、ヴァイオリンと13の管楽器のための室内協奏曲≫を聴いて

バレンボイム&ズーカーマン&ブーレーズ&アンサンブル・アンテルコンタンポランによるベルクの≪ピアノ、ヴァイオリンと13の管楽器のための室内協奏曲≫(1977年録音)を聴いてみました。
ブーレーズ&アンサンブル・アンテルコンタンポランは、内田光子さんとテツラフとの共演でも同曲を録音していますが、当盤は、それよりも31年前に録音されたものになります。
さて、ここでは、明晰にして、激情的な演奏が繰り広げられています。
ブーレーズが司っているここでの演奏は、音のエッジが立っていて、クリアなものとなっています。しかも、カラフルであり、かつ、鮮烈。頗る精妙でもある。そのうえで、起伏を大きく取った音楽づくりが為されている。変幻自在とでも言いましょうか。そのため、明晰を極めていて、冷静な音楽づくりをベースとしていつつも、熱い血潮が迸り出てくるような演奏となっているのであります。
そのような、一見矛盾するようなことが両立している演奏。混沌としているようでいて、見通しが良くもある。鋭敏でありつつも、神経質になっているようなことはない。そして、総じて、キリっとした表情を湛えている。晦渋としたものになるようなこともない。
更には、バレンボイムとズーカーマンによる独奏も、キレのある演奏ぶりが示されています。しかも、艶やかな音楽を奏で上げてくれている。この点については、ズーカーマンのほうに顕著だと言えそう。それに加えて、2人のソリストとも、ブーレーズ同様に冷徹かつ情熱的な演奏を繰り広げてくれている。
この作品の音楽世界の中にス~っと入り込むことのできる、なんとも素敵な、そして、見事な演奏であります。





