シャイー&コンセルトヘボウ管によるブラームスの交響曲第2番を聴いて

シャイー&コンセルトヘボウ管によるブラームスの交響曲第2番(1989年録音)を聴いてみました。


晴朗な雰囲気に包まれている演奏であります。それはもう、明るい陽射しが燦燦と降り注いでいるかのよう。そして、そのような演奏ぶりが、この作品にとてもマッチしている。
更に言えば、実に親しみのある演奏となっています。伸びやかで、暖かみがあって、流麗で、爽やかでもある。全体的に、率直な演奏ぶりが示されていると言えるのではないでしょうか。
とりわけ、第3楽章での屈託の無いのどかさは、実に魅力的。最終楽章も、無理に音楽を煽るようなことはなく、おおらかに、そして朗らかに音楽を掻き鳴らしていて、それでいて適度な推進力を備えていて、なんとも心地が良い。
そこに、コンセルトヘボウ管の底光りするような芳醇な響きが加わることによって、この演奏の魅力は更に増している。ふくよかさを帯びた音楽となってもいる。
そんなこんなによって、この作品に触れる歓びをストレートに満喫できる演奏になっていると言えるように思えます。

ある種ブラームスらしからぬ、地中海的とも言えるような明るさを備えている演奏となっていますが、独特の魅力を持っている、チャーミングな演奏。それがまた、第2番であるだけに、ここでの演奏ぶりには、あまり抵抗はない。
多くの音楽愛好家に聴いてもらいたい、素敵な演奏であります。