エーリヒ・クライバー&ケルン放送響によるウェーバーの交響曲第1番を聴いて

エーリヒ・クライバー&ケルン放送響によるウェーバーの交響曲第1番(1956/1/20 ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

E・クライバーは、モーツァルトの生誕200年を迎えた日、1956年1月27日に65歳で急逝。この演奏は、その死の1週間前に催された演奏会のライヴであります。くしくもこれは、E・クライバーにとってのラスト・コンサートとなってしまいました。

その演奏はと言いますと、覇気が漲っていて、晴朗なものとなっています。概して、屈託がなくて、歓びに満ちた音楽が鳴り響いている。
更に言えば、キリっと引き締まっていて、かつ、音楽はキビキビと進められてゆく。推進力に溢れていて、生気に満ちてもいる。
そのような演奏ぶりが、この作品にとても似つかわしい。それ故に、この可憐でチャーミングこのうえない作品が、頗る魅力的に鳴り響いています。
しかも、甘ったるさが微塵もない。そう、凛としていて、毅然とした演奏となっているのであります。虚飾のない演奏ぶりが示されているとも言いたい。そのうえで、優美で馥郁としていて、芳醇な音楽が奏で上げられている。
それでいて、第2楽章では、陰影の濃くて、彫りの深い演奏が展開されている。そのような他の楽章との対比が、なんとも見事。
かように、多彩な魅力を備えている演奏が展開されている。そのことが、ウェーバーの音楽が本来的に志向しているであろう「劇場的な性格」といったものを、クッキリと描き上げることに繋がっているように思われます。
そんなこんなのうえで、やはり、とても芳しい演奏となっている。そして、ズシリとした手応えのある演奏となっている。

E・クライバーの魅力と、この作品の魅力の双方を存分に味わうことのできる、素敵な素敵な演奏であります。