スターン&バーンスタイン&ニューヨーク・フィルによるベルクのヴァイオリン協奏曲を聴いて

スターン&バーンスタイン&ニューヨーク・フィルによるベルクのヴァイオリン協奏曲(1959年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

克明にして骨太で、逞しさの感じられる演奏となっています。ドラマティックで、エネルギッシュで、エキサイティングでもある。
これらのことは、スターンからも、バーンスタインからも、その両者の演奏ぶりから感じ取ることができます。
この作品は、冴え冴えとしていて、玲瓏な世界の広がる、玄妙な音楽であると考えているのですが、それからすると、明瞭な音楽づくりが為されていて、かつ、ホットな演奏が繰り広げられていると言えましょう。鮮烈でもある。
そのような演奏ぶりもあって、この作品としては、随分と逞しい生命力を宿した音楽が鳴り響いています。健康的でもある。そのうえで、この作品ならではの色彩感を鮮やかに出現させてくれています。
そんなこんなもあって、堂に入った演奏ぶりが示されている。それはすなわち、スターン、バーンスタインの両者の、確固たる信念ゆえなのでもありましょう。そう、ブレのない演奏ぶりになっていると言いたい。

なんともユニークな演奏でありますが、聞き手を魅了する強烈な力を宿している素晴らしい演奏であります。