ザンデルリンク&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブルックナーの交響曲第3番を聴いて

ザンデルリンク&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(LGO)によるブルックナーの交響曲第3番(1963年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

ザンデルリンクらしい誠実な音楽づくりを基調としながら、骨太で、かつ、剛毅な演奏が繰り広げられています。更には、適度な輝かしさを備えている。
しかも、ブルックナーならではの「音による建造物」を感じられる演奏だと言いたい。そして、壮麗でもある。この辺りが、「輝かしさ」に繋がっているのだと言えそう。それでいて、LGOの体質でもあるのでしょう、古色蒼然とした色合いをしている。そのよなこともあって、いかにも「ドイツ的」と呼びたくなる雰囲気を漂わせている。
そのうえで、端正かつ毅然とした音楽が奏で上げられています。音楽のフォルムが、誠に美しい。気品のようなものが感じられもする。
決して重苦しくはないのですが、とても軽い演奏なんて言えない。そう、透明感を持った清澄な世界を表出しながら、逞しくて、輝かしくて、ズシリとした手応えの感じ取れる音楽が鳴り響いているのであります。
そのような演奏ぶりが示されていて、最終楽章のクライマックスでは、大きな高揚感が築かれてゆく。それも、どこにもはったりのない形で。
しかも、LGOの響きが実に典雅なものとなっていて、とても魅力的。そして、これまた清澄でもある。

ザンデルリンクによるブルックナーの音源は、あまり多く残っていませんが、ザンデルリンクによるブルックナーが如何に素晴らしかったのかを窺い知ることのできる、貴重な、そして、素敵な演奏。そんなふうに言いたくなるブルックナーであります。