バーンスタイン&ニューヨーク・フィルによるアイヴズの交響曲第2番を聴いて

バーンスタイン&ニューヨーク・フィルによるアイヴズの交響曲第2番(1987年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

活力に溢れた演奏となっています。
この交響曲は、最終楽章でフォスター(1826-1864)作曲の≪草競馬≫のメロディが頻繁に顔を出すなど、親しみやすさを備えた作品となっています。ここでは、そのような親近感の湧く音楽が、快活に奏で上げられています。なんとも明朗な音楽世界が広がっている。息遣いが実に自然でもある。そして、覇気に溢れている。
その一方で、Adagio cantabileと表記された第3楽章では、慰みや、憧れ、といった情感が滲み出ている。とても暖かくて、愛情味が豊かもある。それは、最終楽章の中間部においても然り。
そのような中でも、やはり印象的なのは、フォスターの≪草競馬≫にまつわる箇所。オケを高らかに鳴らしながら、意気軒高な音楽が掻き鳴らされています。力感に溢れていて、かつ、明るい陽光が降り注ぐかのような開放的な音楽世界が広がってもいる。
そんなこんなを通じて、「オラが音楽」を奏でているという風情がヒシヒシと感じられる演奏となっています。

この作品の魅力をタップリと味わうことのできる、そして、バーンスタインのこの作品への深い愛情を思い知ることができる、素敵な演奏であると思います。