ボド&チェコ・フィルによるオネゲルの交響曲第3番≪典礼風≫を聴いて

ボド&チェコ・フィルによるオネゲルの交響曲第3番≪典礼風≫(1960年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
力強くて、かつ、艶やかな演奏が繰り広げられています。
まずもって、とても剛毅な音楽づくりが為されている。矍鑠としていて、毅然としてもいる。そのうえで、生気に満ちていて、オネゲルの作品に相応しい「うねり」を伴った音楽が鳴り響くこととなっています。
そのうえで、滑らかで艶やかでもある演奏となっている。しかも、極彩色ではなく、くすんだ色彩感をしていると言えば良いでしょうか。或いは、底光りをするような色彩感とも言えるように思える。この辺りは、チェコ・フィルの体質にも関連しているのではないでしょうか。
総じて、堅固な音楽づくりで、構成感のシッカリとしている演奏だとも言いたい。その一方で、ムラヴィンスキーによる演奏のように、極度の緊張感に包まれたものになってはおらず、ある種のおおらかさが感じられる。それがまた、この演奏を魅力あるものにしてくれているようにも思えます。
(ムラヴィンスキーによるシリアスな演奏もまた、頗る魅力的で、説得力のあるものとなっているのですが。)
あまり肩肘を張らずに、この作品の音楽世界にス~っと入ってゆくことのできる演奏。しかも、聴き応えも十分。
独自の魅力を備えている、素敵な演奏であります。





