ボールト&ロンドン・フィルによるエルガーの≪南国にて≫(1970年録音)を聴いて
ボールト&ロンドン・フィルによるエルガーの≪南国にて≫(1970年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
豪快にして、颯爽とした演奏ぶりとなっています。気風の良い演奏だとも言えそう。更には、率直にして、とても潔くもある。
そのような演奏ぶりは、出だしの部分で顕著であります。勢いよく音楽が流れ出してきて、聴き手を一気に作品の音楽世界へと引きずり込んでいく。
それでいて、強引なところがない。それは、音楽づくりがしなやかであり、かつ、息遣いが自然だからなのでありましょう。しかも、十分に逞しくありつつも、作品への敬愛の情を抱きながら、慈しみをもって奏で上げてゆく、といった感じ。そのような演奏態度は、全編を通じて感じ取ることができます。
そのようなこともあって、生気に溢れていてながら、情趣深い演奏となっています。そして、毅然とした表情を湛えている。更には、真ん中辺りでの詩情性豊かな箇所では、優しさに満ちた音楽が奏で上げられている。
なおかつ、この作品に相応しい輝かしさや、明朗さを備えてもいる。頗るダイナミックでもある。
そんなこんなによって、ノーブルであるとともに、壮健でもある音楽が鳴り響くこととなっている。
ボールトならではの魅力を湛えている、素敵な≪南国にて≫であります。