ルービンシュタイン&オーマンディ&フィラデルフィア管によるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を聴いて

ルービンシュタイン&オーマンディ&フィラデルフィア管によるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(1971年録音)を聴いてみました。

壮健、かつ華麗な演奏となっています。
ここでのルービンシュタインは、小手先で勝負するような演奏ぶりを示すのではなく、どっしりと構えたうえで、雄大な音楽を奏で上げていると言えるのではないでしょうか。しかも、艶やかに、そして、華やかに奏で上げている。
それは、ルービンシュタインにとってはいつも通りのやり方だと言えるのでしょうが、作品そのものが雄大かつロマンティックな性格を色濃く持っているだけに、鳴り響いている音楽と作品との相性が頗る良い。
更には、強靭で、逞しくもある。それがまた、ロシア音楽に相応しいと言えましょう。しかも、決して、土臭い演奏ぶりではなく、極めて強い洗練味が感じられる。そのうえで、力強い音楽づくりが為されているのであります。十分にロマンティックでありながらも、必要以上にセンチメンタルになるようなことはなく、毅然としてもいる。
そして、誠に実直でもある。華やかさの感じられる演奏ぶりでありつつも、媚を売るようなところが微塵も感じられません。それはまさに、グランドマナー的な演奏であると言うしかないでしょう。しかも、暖かい眼差しの感じられる演奏となってもいる。
オーマンディによる指揮もまた、華麗にして洗練味を帯びていて、しかも壮麗で、力強さにも不足はない。艶やかで、ロマンティックでもある。
そのような音楽づくりが、ルービンシュタインの共演者としてピッタリ。

なんとも魅力的な、そして、実に素晴らしい演奏であります。