ムーティ&フィラデルフィア管によるファリャの≪三角帽子≫第1,2組曲を聴いて

ムーティ&フィラデルフィア管によるファリャの≪三角帽子≫第1,2組曲(1979年録音)を聴いてみました。

エネルギッシュで煽情的な演奏であります。実にダイナミックな演奏が展開されている。更には、情熱的であり、妖艶だとも言えそう。
妖艶さ(艶やかさ)は、ムーティの音楽づくりもさることながら、フィラデルフィア管の華麗な響きに依るところも大きいでしょう。ここでのオケの音は、煌びやかさを極めています。そして、とても美しい。音楽に滑らかさや弾力性をもたらしてくれてもいる。
そのようなフィラデルフィア管を操りながら、ムーティはグラマラスでゴージャスな音楽を奏で上げてくれている。起伏に富んでいて、色彩鮮やかな演奏となっている。キビキビとしていて、生命力に溢れている。ドラマティックでスリリングで、昂揚感に満ちている。もっと言えば、肉感的でもある。
そのような演奏ぶりが、この作品には誠に似つかわしい。

全編を通じて、まさに、胸のすく演奏が繰り広げられていると言えましょう。
聴いていて心ときめいてくる、頗る魅惑的な演奏であります。