コレギウム・アウレウム合奏団によるバッハの≪コーヒー・カンタータ≫を聴いて

コレギウム・アウレウム合奏団によるバッハの≪コーヒー・カンタータ≫(1967年録音)を聴いてみました。
独唱は、アーメリング(S)、イングリッシュ(T)、ニムスゲルン(Bs)。

清新であり、かつ、生き生きとした演奏となっています。
コーヒーは、16世紀にヨーロッパに入ってきて、まずはイギリスで大流行し、J・Sバッハが活躍していた時期にドイツに入ってきて、ライプツィヒでも大流行したとのこと。特に、若い女性が飛びついたようです。
このカンタータは、一日中コーヒーばかり飲んでいる娘リースヘンと、なんとかして止めさせようとする父親シュレドリアンとのやりとりをユーモアたっぷりに描いたもの。≪農民カンタータ≫とともにJ・Sバッハの世俗カンタータの代表的な作品だと言えましょう。

さて、ここでの演奏はと言いますと、そのような作品の性格を鮮やかに描き出してくれていて、誠に親しみやすい音楽世界が広がっています。とても快活であり、晴朗であり、伸びやかでもある。暖かみが感じられつつも、爽やかで、清々しくもある。
そのうえで、アーメリングの歌に象徴されているように、可憐であり、無垢な清らかさを持ったものとなっている。

妙にかしこまったり気取ったりすることなく、音楽を聴く愉しさをストレートに味わうことのでき、かつ、晴れやかな気分に浸ることのできる、素敵な作品であり、素敵な演奏であります。