バルビローリ&ウィーン・フィルによるブラームスの交響曲第2番を聴いて

バルビローリ&ウィーン・フィルによるブラームスの交響曲第2番(1966年録音)を聴いてみました。

篤実でいて、情熱的で、ブラームス特有の「うねり」も備わっている、充実した演奏だと言えましょう。
思いのほか、低音重視の腰の据わった音楽づくりにもなっています。と言いつつも、清潔感や爽快感がある。この作品に相応しい快活で明朗な雰囲気にも不足はない。しかも、キリっとしていながら、のどかさがある。それでいて、風格豊かでもある。そんなこんなが、この作品の性格にマッチしていて、なんとも好ましい。
更に言えば、音楽の流れが誠にスムーズ。そのうえで、息遣いが豊かでもある。
エンディングも、忘我的に熱くならずに、統制された音楽美を示しつつ、充分に壮麗でもある。
ウィーン・フィルの、コクがあって芳醇で、しかも分厚さも感じられる響きがまた、実に魅力的でもあります。

ベルリン・フィルとの1962年のライヴ盤も残されていまして、そちらのほうが、より熱くて、男気の感じられるスリリングな演奏になっていますが、このウィーン・フィルとのセッション録音盤に刻まれている、凛然としていつつ温容で、必要十分な熱さも併せ持っている演奏もまた、実に魅力的なものだと言えましょう。