レヴァイン&ウィーン・フィルによるスメタナの≪わが祖国≫を聴いて

レヴァイン&ウィーン・フィルによるスメタナの≪わが祖国≫(1986年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

華麗でゴージャスでドラマティックな演奏であります。しかも、ウィーン・フィルということで、オーケストラ美の極致をいくような、美麗な音楽世界が広がっている。
ここでのウィーン・フィルは、いつも以上に艶やかで、光沢があって、しなやかであるように思えます。そのうえで、ふくよかで、潤いがあり、弾力性が存分に感じられる。
そのようなウィーン・フィルを、豪快にドライブしてゆくレヴァイン。全編を通じて、実に生き生きとした演奏が繰り広げられています。推進力に満ちていて、逞しい生命力に溢れている。そして、開放的で、輝かしい。スリリングで、痛快でもある。

とにかく、聴いていて、胸のスカッとする演奏となっている。そして、誠に美しい。
(≪わが祖国≫でのオーケストラの響きの美しさという点では、ベルグルンド&シュターツカペレ・ドレスデン盤と双璧をなしていると言いたい。)
ウィーン・フィルの素晴らしさも相まっての、独自の魅力を湛えている、素敵な素敵な≪わが祖国≫であります。