ボールト&BBC響によるエルガーの交響曲第2番を聴いて

ボールト&BBC響によるエルガーの交響曲第2番(1977年 BBCプロムスでのライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

ボールト卿ならではの、雄大にして、熱気溢れる演奏となっています。それでいて、全く暑苦しくない。むしろ、爽快な風が吹き抜けていくかのよう。そして、颯爽としていて、伸びやか。変に構えたところがなく、親しげでもある。
しかも、堂々とした音楽づくりが為されている。力感にも不足はない。そのうえで、拡がり感のある演奏となっている。その結果として、全編にわたって、飾り気の無い演奏ぶりの中から、勇壮にして壮麗な音楽世界が広がることとなっている。実直にして、一点の曇りもない晴れやかさに包まれた演奏だとも言いたい。
ここにあるもの、それはまさに、ノビルメンテ(高貴で、上品で、気品のある様)な感興に満ちた音楽世界。その様がまた、エルガーの音楽にピッタリ。

なんとも立派で、かつ、魅力的な演奏。
この作品の魅力を、更に言えば、エルガーの音楽の魅力を、存分に楽しむことのできる、素晴らしい演奏であります。
なお、ステレオ録音によるライヴ収録で、音質はクリアにして潤いがあり、この素敵な演奏を楽しむに当たって、なんら支障はありません。