クリュイタンス＆パリ音楽院管によるドビュッシーの≪映像≫を聴いて
クリュイタンス＆パリ音楽院管によるドビュッシーの≪映像≫（1963年録音）を聴いてみました。
精彩感に満ちた演奏であります。しかも、詩情豊か。薫り高くもある。
表情が、とても生き生きとしている。そう、力感に溢れていて、音楽があちこちで躍動しています。隈取は曖昧ではなく明瞭。全体的に、鮮明な演奏となっている。それでいて、過度に派手であったり、荒々しかったりしない。エレガントで、格調が高い。音楽が馥郁と薫っている。とても精妙な演奏となってもいる。そのうえで、暖かみがありつつも、表情が凛としている。
更には、オケの響きが色彩豊か。煌びやかで、かつ、艶やかな光彩を放っています。そのような中で、ファゴット（おそらく、バッソンと使っているのでしょう）やオーボエは、独特の鄙びた音色をしていて、それがまた頗る魅惑的。
破格の魅力を備えている、素敵な演奏であります。