バルビローリ&フィルハーモニア管によるエルガーの≪威風堂々≫全5曲を聴いて

バルビローリ&フィルハーモニア管によるエルガーの≪威風堂々≫全5曲(1962,66年録音)を聴いてみました。
(1966年に録音された第2,3,5番は、ニュー・フィルハーモニア管に改称されてからのもの。)

「イギリスの第2の国歌」とも呼ばれている、≪威風堂々≫第1番。イギリス最大の音楽祭のBBCプロムスの最終夜では、第1番が採り上げられることが、「しきたり」となっています。
かように、第1番が抜きん出て著名となっていますが、他の4曲もまた、毅然としていて、壮麗で威儀のある音楽となっていて、魅力的なナンバーが並んでいます。

そのような≪威風堂々≫全5曲に対しての、ここでのバルビローリによる演奏は、まさに堂々としたもの。風格豊かで、滋味深くもあります。ノビルメンテ(高貴で、上品で、気品のある様)な雰囲気に満ちている。
決して派手派手な演奏になっている訳ではないのですが、充分に華やかで、煌びやかでもある。逞しい推進力を備えていて、勇壮でもある。覇気に満ちていて、壮健でもある。作品に対する、愛着や情熱がヒシヒシと感じられる。誇らしげでもある。そして、威厳に満ちている。
それはもう、揺るぎない自信に溢れている演奏となっています。そして、何から何までが様になっている。

聴いていて惚れ惚れしてくる、素晴らしい演奏であります。