クリュイタンス&パリ音楽院管によるルーセルの交響曲第3,4番を聴いて

クリュイタンス&パリ音楽院管によるルーセルの交響曲第3,4番(1965年録音)を聴いてみました。

ルーセル(1869-1937)の作品の特徴は、表現意欲の強さと、そこから生まれる逞しい生命力にあるように思います。ときに、凶暴な雰囲気が立ち昇ることもある。そのうえで、フランスの作曲家が示す色彩の豊かさと、ドイツ的な構成感の強さとを併せ持っている作品が多いとも言えましょう。
彼が作曲した4曲の交響曲のうち、この音盤に収められている2曲の交響曲においても、上記の特徴がクッキリと刻まれているように思えます。ダイナミックにして、エネルギッシュで、それでいて精妙な音楽世界が広がることとなっている。
そのような音楽を、クリュイタンスは生命力豊かに奏で上げてくれています。それは、誠にクッキリとした演奏ぶりであるとも言えましょう。更に言えば、弾力性を帯びている。エネルギッシュにして、覇気に富んでいる。リズミカルな要素が、存分に生かされてもいる。
しかも、クリュイタンスならではのエレガントな雰囲気に包まれています。どんなに音楽が力強く奏で上げられても、暴力的になったり、肌触りが粗くなったり、といったようなことにはならない。ふくよかさが保たれていて、かつ、格調の高さが示されている。そして、とても芳しい音楽が鳴り響いている。

ルーセルの音楽の魅力と、クリュイタンスの美質とが融合された、なんとも見事な、そして、頗る素敵な演奏であります。