パールマン&小澤征爾さん&ボストン響によるベルクのヴァイオリン協奏曲を聴いて

パールマン&小澤征爾さん&ボストン響によるベルクのヴァイオリン協奏曲(1978年録音)を聴いてみました。

ベルクにしては珍しく、と言いましょうか、暖色系の演奏となっています。とても率直な演奏ぶりが示されている。晴朗にして、伸びやかな演奏だとも言いたい。
元来は、冴え冴えとした性格を持っている作品だと看做すことができそうなのですが、ここでは、とても親しみやすい音楽として響き渡っています。ロマンティックで夢想的(もともと、そのような性格を併せ持った音楽だとも言えましょう)でもある。
それらのことは、パールマンのヴァイオリンにも、小澤さんの指揮にも当てはまる。
とは言うものの、決して微温的な演奏になっている訳ではない。生気に溢れていて、かつ、ドラマティックな音楽が奏で上げられているのであります。静と動のコントラストも鮮やかで、起伏に富んだ音楽づくりが為されているとも言いたい。そして、目鼻立ちのクッキリとした音楽が鳴り響いくこととなっている。しかも、そういった事柄が、決して大袈裟な形を採りながら彩られてゆくようなことがない。
そのうえで、色彩感に富んでいて、精妙な色合いをしている。とは言うものの、それは、寒々としたものではなく、冒頭で書きましたように、暖かみを帯びたものとなっている。

変に構えることなく、この作品の音楽世界にスッと入っていくことのできる演奏。しかも、この作品の魅力にシッカリと触れることができる。
この曲がどうも苦手、という方に広くお薦めすることができそうな、素敵な演奏であります。