アシュケナージ&コンセルトヘボウ管によるラフマニノフの交響曲第3番を聴いて

アシュケナージ&コンセルトヘボウ管によるラフマニノフの交響曲第3番(1980年録音)を聴いてみました。

アシュケナージが本格的に指揮者としての活動を始めた初期の録音であります。
(ちなみに、指揮者アシュケナージの初録音は、プレヴィンによる指揮で完成させたプロコフィエフのピアノ協奏曲全集に付録のようにして収録されていた≪古典交響曲≫と≪秋のスケッチ≫。1975年の録音となります。)
なお、アシュケナージ&コンセルトヘボウ管はラフマニノフの交響曲全集を完成させていますが、この第3番はその最初の録音に当たります。

ロシア生まれのアシュケナージが、それまでにピアニストとして数多くの作品を採り上げてきた作曲家であるラフマニノフ。その音楽上の語法を熟知したうえで臨んだ録音だったことでしょう。
そう、ここでの演奏は、メロディストとしてのラフマニノフの特質が、よく生かされているのであります。しかも、とてもロマンティックで、ドラマティックでもある。切々たるセンチメンタリズムも十分。そのうえで、しなやかで、ふくよかで、流麗。ラフマニノフならではの「うねり」も過不足なく表されている。見通しが良くて、目鼻立ちのクッキリとした音楽が鳴り響くこととなってもいる。
そして、この演奏の最大の特徴は、奇を衒わずに、率直に作品を描き上げていることでありましょう。であるからこそ、ラフマニノフの特質が、等身大の形で浮かび上がってくることになっているのだと言えそう。
更には、コンセルトヘボウ管の芳醇でまろやかな響きが、この演奏に大きな魅力を添えてくれているのが、なんとも嬉しいところ。

ラフマニノフの管弦楽作品を聴く歓びを存分に味わうことのできる、素敵な演奏であります。