コーガン&モントゥー&ボストン響によるハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲を聴いて

コーガン&モントゥー&ボストン響によるハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲(1958年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
ウクライナ出身で、旧ソ連の時代を代表的するヴァイオリニストの一人だと言えるコーガン(1924-1982)は、オイストラフとともに、1940年に生み出されたこのヴァイオリン協奏曲を世に広めることに力を注いでいまして、積極的に演奏会で採り上げていたようです。当盤は、そんなコーガンによるセッション録音となります。
(なお、当作品は、オイストラフに献呈されています。)
この作品は、元来が、躍動感に富んでいて、野趣に溢れている音楽だと言えましょうが、ここでのコーガンによる演奏では、その辺りの雰囲気を残しながらも、怜悧な音楽に仕上がっているように思います。
ワイルドでありながら、整然としている。凛とした佇まいをしているとも言いたい。そして、シャープでスマートな音楽が奏で上げられている。そう、目鼻立ちのクッキリとした演奏が展開されているのであります。
更には、この作品に不可欠だと言えそうな、疾駆感や、妖艶な表情、といったものも充分。とは言いながらも、そういったものが過度にどぎつい形で示される訳ではありません。であるが故に、煽情的でありつつも理知的な演奏となっており、純音楽的な美しさを湛えることとなっている。
そのようなコーガンをサポートするモントゥーもまた、コーガンに寄り添うように、品格の高い音楽を鳴り響かせてくれています。それでいて、モントゥーならではの、ダイナミックにして生気に満ちていて、充分に逞しい音楽が奏で上げられている。それがまた、この作品の性格にピッタリだと言いたい。そして、モントゥーもまた、コーガンと同様に克明な演奏を展開してくれている。
充分に活力に富んでいて、かつ、この作品の魅力を格調高く示してくれている、なんとも素敵な演奏であります。






