シャイー&ベルリン放送響によるオルフの≪カルミナ・ブラーナ≫を聴いて

シャイー&ベルリン放送響によるオルフの≪カルミナ・ブラーナ≫(1983年録音)を聴いてみました。
シャイーが29歳だった1982年に、ベルリン放送響(現在のベルリン・ドイツ響)のシェフに就任した翌年の録音になります。
その演奏はと言えば、この作品の音盤の中でも、明るくてアッケラカンとした性格の強いものになっていると言えましょう。明快であり、隈取りの鮮やかな音楽が鳴り響いています。それだけに、聴いていてスカッとする。そんな、とても痛快な演奏。音楽が混沌とするようなことは微塵もなく、見通しが頗る良くもある。
全体を通じて、リズムに切れのある演奏が繰り広げられています。溌溂としていて、躍動感に溢れている。そして、晴れやかで華やか。無邪気に飛び跳ねている演奏だとも言えそう。シャイーならではの、鋭敏で、かつ、明朗で歌心に満ちている演奏。そんなふうにも言いたい。
とは言うものの、必要以上にお祭り騒ぎな音楽にはなっていない。整然としていて、かつ、緊密な音楽づくりが為されているのであります。音楽が粘るようなことは全くなく、清浄感のある音楽となってもいる。更には、ゆったりとしたテンポによるナンバーでは、リリカルな美しさを湛えた音楽が奏で上げられているからでもありましょう。
そのうえで、この作品に相応しい、素朴でありながら壮大な音楽世界が屈託なく描かれてゆく。聴いていて「血湧き肉躍る」といった状態に誘ってくれもする。
独特の魅力を備えていて、かつ、この作品の魅力をタップリと味わうことのできる、素敵な演奏であります。





