ユボー&ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団によるフォーレのピアノ五重奏曲第1番を聴いて

ユボー&ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団によるフォーレのピアノ五重奏曲第1番(1970年録音)を聴いてみました。

実に薫り高い演奏が繰り広げられています。洗練されていて、優美でもある。
それでいて、単に儚げな演奏となっている訳ではなく、芯のシッカリとした音楽が奏で上げられている。作品が持っている生命力や情熱が、充分に発露された演奏となっているのであります。フォーレの作品が本来的に持っている、「奔流する音楽」と形容できるような性格も、明瞭な形で感じ取ることができる。しかも、誇張されながらではなく、ごく自然に。
その一方で、これもフォーレによる音楽の特徴の一つだと言えましょうが、厳格な雰囲気にも不足のない演奏が繰り広げられている。凝縮度が高くもある。
そのうえで、詩情に富んだ演奏となっているのであります。清冽な音楽が鳴り響くこととなってもいる。決して華美な演奏ぶりが示されるようなことはなく、そのために、エレガントな美しさが浮かび上がってくる。その様が、フォーレの作品の魅力を引き立ててくれている。
そんなこんなによって、バイタリティに富んでいつつ、優雅で、瀟洒な音楽が展開されてゆく。しかも、自然で、かつ、豊かな息遣いを伴いながら。

従来より当曲の代表盤の一つとして高い評価を受けていますが、そういった世評も頷ける、素敵な演奏であります。
フォーレの室内楽作品の魅力を堪能することのできる、頗る魅力的な演奏。そんなふうに言える、見事な演奏であります。