モリーニ&フリッチャイ&ベルリン放送響によるグラズノフのヴァイオリン協奏曲を聴いて

モリーニ&フリッチャイ&ベルリン放送響によるグラズノフのヴァイオリン協奏曲(1958年録音)を聴いてみました。
モリーニ(1904-95)は、ウィーンに生まれた女流ヴァイオリニスト。ニキシュやクライスラーなどからも高い評価を受けていました。
1976年まで演奏活動を繰り広げていたようですが、レコーディングの数はさほど多くありません。そのような中で、ステレオでセッション録音されている当盤は、とても貴重な存在だと言えましょう。
さて、ここでの演奏はと言いますと、骨格がシッカリしていて、かつ、清潔感に溢れるものとなっています。
モリーニのヴァイオリンは、太めの響きをしている。と言いましょうか、タップリとした響きを湛えた音楽が奏で上げられています。
得てしてヴァイオリンにありがちな、細くて尖った音ではありません。もっとガッシリとしていて、ふくよかで、潤いがある。そして、艶やかな美しさがある。しかも、雑味のない、清らかな音がしている。
そのような音を駆使しながら、誠に伸びやかに、端正に、このチャーミングな佳曲を、魅力たっぷりに奏で上げてくれています。更に言えば、決して甘美な音が世界に耽るようなことはないものの、グラズノフの作品に相応しいロマンティシズムを湛えてもいる。
そんなモリーニを盛り立てているフリッチャイの指揮は、熱気の籠った音楽づくりで、生命力豊かにサポートしてくれています。そして、こちらもまた、骨太な音楽づくりをベースにしながら、逞しい音楽を鳴り響かせていつつも、端正な演奏ぶりが示されている。
ヴァイオリンを聴く歓びをタップリと味わうことのできる、なんとも素敵な演奏であります。





