京都・南座での顔見世興行観劇と、マリナー&シュトゥットガルト放送響によるチャイコフスキーの組曲第4番≪モーツァルティアーナ≫を聴いて
今日は、京都の南座へ顔見世興行の夜の部を観に行ってきました。京都の年末の風物詩の一つ。
建物入口の上部には、顔見世の時のみ掲げられる「まねき」(出演する役者の名前が書かれた看板)が上げられています。また、館内には、役者さんに贔屓の方から贈られる「竹馬」も飾られていた。
4つの演目が上演され、3回の休憩も合わせると5時間弱の公演。伝統芸能の奥深さをヒシヒシと感じながら、お腹いっぱいに歌舞伎を堪能してきました。
帰宅して聴きましたのは、マリナー&シュトゥットガルト放送響によるチャイコフスキーの組曲第4番≪モーツァルティアーナ≫(1987年録音)。あまり肩の凝らない音楽が良いだろうとも思いから、こちらを選びました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
マリナーらしく、手際よくまとめられた演奏となっています。爽快であり、かつ、瀟洒な音楽世界が広がってゆく。端正であり、キリっとしてもいる。そのような演奏ぶりが、この曲にピッタリ。
そのうえで、抒情味に溢れていて、シットリとした質感が備わっている。しかも、終曲において顕著なように、音楽が適度に弾んでいて、嬉々とした表情を湛えている。
全体的に、マリナーの卓越した音楽センスが存分に感じられる、雰囲気豊かな演奏だと言えましょう。
難しいことを考えずに耳を傾けながら、清々しい気分に浸ることのできる、素敵な作品であり、そして、素敵な演奏であります。